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【【9日目~2009.4.18】】
■第41番霊場 龍光寺■
早朝に観自在寺を出発し、朝から山越えをする。
龍光寺に着いた頃には11時前になっていた。 |
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■第42番霊場 仏木寺■
速さを求め始めている。
時間ばかりを気にして心のゆとりがなくなってしまっている。
もともと信仰心で巡っているわけではないのだが…。 |
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■第43番霊場 明石寺■
峠を越えて明石寺へ。
暑さで鼻血がでる。 |
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44番・45番は山の上にあるので今日は「うちこ」で体をゆっくり休めて明日にのぞむことにする。
うちこにある「ハイプラザうちこ」でお風呂に入ってくつろいでいると、
「今日泊まるところはあるの?」
と、従業員の方に聞かれた。
「その辺りで野宿します。」
と、答えると
「部屋が空いてるから泊まっていきなよ。」
となんともありがたい言葉をいただいた。
洗濯機や乾燥機も無料で使わせてくれて、いたれり尽くせりのうちこハイプラザだった。
ここ、うちこは、山の中にある町。
夜になると電気は消え、真っ暗になる。
晩飯の弁当を買いに出かけたはいいけど、帰りは森に取り込まれそうなくらいの闇の中を歩いた。
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【【10日目~2009.4.19】】
■第44番霊場 太宝寺■
ハイプラザうちこを出て、ひたすら山の道をいく。川に沿った蛇行する道は、和歌山の美里あたりを思い出させる。
途中、長野県からきた歩き遍路さんと出会い、自転車を押し、話をしながら歩いた。
それから間もなく、僕はこの旅ではじめて道に迷うことになる。
アスファルトの道はなくなり、民家も見かけなくなる。ごつごつした石の道を、パンクしないだろうかと不安に思いながら進む。
春の陽気で冬眠から目覚めた蛇やら、とかげを見る。
相変わらず、クマンバチやらスズメバチやらがぶんぶんと音を立てて飛び回っている。
生きた心地がしなかった。 |
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■第45番霊場 岩屋寺■
迷いながらも着いた大宝寺から岩屋寺に向かう道の12号が見つからず右往左往する。予測していた時間よりかなり遅く到着。
途中、顔を真っ赤にして坂を上るアンパンマン顔のおじさんが手を思いっきり挙げて笑顔でこちらに合図を送ってくれた時は本当にうれしかった。
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岩屋寺は駐車場から細い山道をのぼっていく。
その傍らには何百もの仏さんが規則正しく並んで鎮座している。
木々の木漏れ日が何体かの仏さんを優しく照らしていた。 |
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花の添えられた仏さんが微笑んでいた。 |
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岩屋寺にはその名の通りの岩屋がある。
この梯子を使って岩屋にまで上れるのだが、梯子はほぼ直角にそそり立っていて5mとか6mとかの高さがあるので怖い。 |
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岩屋の上から下を覗く。 |
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岩屋寺は山の上にある。よくもここまで上ってきたものだ。 |
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■第46番霊場 浄瑠璃寺■
45番からは三坂峠という七子峠に次いできつい峠越えをしてから46番に着く。
やけに長い下り坂のせいで体が冷え切ってくしゃみが3回でた。
ついでに鼻血もでましたとさ。 |
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■第47番霊場 八坂寺■
峠を越えてほっとしていると、お腹が空いて眠くなる。 |
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水に浮かぶ花びらが見たこともないくらい鮮やかに咲いている。 |
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■第48番霊場 西林寺■
松山市内にきて寺と寺の間隔が短くなった。
徳島の13番以降のように。
道後温泉まであと少し。 |
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■第49番霊場 浄土寺■
今までの憂さ晴らしのような回り方。 |
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■第50番霊場 繁多寺■
急げ急げ日が暮れる。
寺の前でアイスクリームを売っていたおっちゃんがブラックコーヒーを接待してくれた。
ありがたや。
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■第51番霊場 石毛寺■
ここは道後温泉のすぐそばで、参拝の人も多い。(一般人)
寺には何故かたくさんの千羽鶴。 |
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道後温泉。
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道後温泉ではお風呂にもランクがあり、もちろん僕は一番高いやつ(1500円)のお風呂に入った。
高いといってもお風呂が格段によいものになるのではなくオプションが付いてくるのだ。
1500円のだと…
個室で…
お茶と坊ちゃん団子があり…
天皇の入られた風呂を見学でき…
浴衣があり…
タオルもあり…
時間が80分ある…
と、言う具合。
3階の部屋から窓を開けると、温泉街が見れるのは新鮮だ。
ゆっくりして、ええもん食べて、ゆっくり休もう。
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【【11日目~2009.4.20】】
■第52番霊場 太山寺■
昨日は松山城近くにある美術館前のベンチで寝る。意外と寝やすく熟睡に近い眠りだった。
感動症。
人間は極度の疲労の中に於いては、例えば、水、例えば、雑草、例えば、虫…普段気にもしないことに対して感動を覚えるようになる。
それでいても冷静に判断していたいとも思う。 |
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■第53番霊場 円明寺■
夕方から雨が降るらしい。
うっすら雲が太陽を薄く隠している。
松山を北上して今治へ向かう。 |
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これは瀬戸内海。
僕が毎日見ていた海。
瀬戸内海を見て優しい海だと思えた。
やはり僕は瀬戸内海が良い。 |
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藻の付いたロープは、生まれ育った町でもあった日常の風景だった。 |
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宝石箱のように色とりどりの石たちが輝いている。 |
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■第54番霊場 延命寺■
53番と同じ読み。 |
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不動明王も前掛けをし、バックに花が咲いていると憤怒の形相もかわいく感じられる。 |
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■第55番霊場 南光坊■
今治市の中心街にある寺。
仁王門、仁王像が新しく美しい。
日記を書いていると「接待させてください。」と車からおばあちゃんに声をかけられて、1000円をいただきました。
納め札がなかったためお返しができなかったのが悔しかった。
様々な理由で、八十八ヶ所を回りたいけど回れない人たちが居て、その人たちは接待することで、接待した人と一緒に八十八ヵ所を巡るのだ。
少なからず僕も人の思いを背負っているのかもしれない。
背を丸くして一心(信)に手を合わすあの人たちは何に手を合わせるのか。 |
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■第56番霊場 泰山寺■
55番で接待していただいた1000円で南光坊の納経と納め札を買い、残りのお金は泰山寺に納めさせていただきました。
ここで女性二人から話しかけられる。
話を聞くと55番で1000円ずつ接待されたが自分たちは受け取り辛いので、自転車で全部回る僕にその1000円を渡したい、とのこと。
たぶんその1000円はあのおばあちゃんからもらったものだろうから丁重にお断りした。 |
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■第57番霊場 榮福寺■
お接待を受ける度、一人旅ではなくなる。
お接待をしてくれた人たちの気持ちと共に寺を巡る。
だから、心がどんどん強くなる。 |
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■第58番霊場 仙遊寺■
焼山寺や三坂峠と越してきてもやっぱり坂はきつい。
ふっと頭をよぎった人間からメールがきた。
これ、なんぞや?
めちゃくちゃびっくりする!
勘が研ぎ澄まされてきてるのだろうか。 |
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■第59番霊場 国分寺■
雨の予報だったが、なんとか今日は大丈夫そうだ。明日は分からないが…。
少しお腹が痛い。
愛媛の寺は新しいものが多い。 |
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風が吹く。
風の足跡が見える。 |
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湿った風は驚くほど激しく吹き荒れ、僕の前に立ちはだかる。
雨の臭いがする。
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【【12日目~2009.4.21】】
朝の6:00。
アメアガル。
昨夜はぱらぱらと降る雨に不安にさせられたが、高速バスの停留所が雨避け仕様になっていたので、そこで一夜を明かす。
雨自体は強いものではないのだが、風がすごかった。この度で一番の嵐だった。
雨風のせいで30分おきに目が覚め、体力が回復していない。
よりによって次の60番は愛媛県一番の難所だというのに…。
60番の山登りの前に麓のローソンで腹ごしらえ。そして店の人にお願いして寝袋などいらない荷物を預かってもらうことにした。
徳島県の焼山寺の山登りで荷物を自転車に積んだまま移動することがどれだけ苦になるか分かっていたから、今度は賢く登ってみる。
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60番の横峰寺へ向かう途中にあった湖。(もしくはダムかな?)
朝日がまぶしく湖面を照らしている。
水鏡とはこのことか。
美しい。
自然からのエネルギーを体全体で受け取る。 |
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8:30。
歩き始めて2時間30分。
ようやと60番に到着。
毎度毎度よくもこんなところまで上ってこれたもんだと感心する。 |
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山の鳴く声。
ザァァァァー
遠くの山が鳴いている。
少しずつ鳴く声が近づいてくる。
「あ、近いな。」
と思ったら、ぶわぁーっと風が僕の体を押し越していく。
ふと山の薫りが変わることがある。
それは、
甘美で濃厚で誘うような恐ろしい香り。 |
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■第60番霊場 横峰寺■
寺は工事中でなんだか肩透かしをくらった。
ずいぶんと人里から離れ、高い山に登ってきたはずなのに寺に赤いカラーコーンや黄色と黒のバーがあるんだもの。 |
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昨日の風が空にある一切の不純物を吹き流してくれた。 |
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■第61番霊場 香園寺■
洋風?な建物にちょっとびっくり。
60番が終わってホッとしたのか、それとも風邪薬のせいなのかすごく眠い。 |
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■第62番霊場 宝寿寺■
こちらも本堂が改修中。
それにしても眠い。
そして太陽が照り始めている。
(朝9:58) |
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■第63番霊場 吉祥寺■
枯れた大きな松の木があった。
荷物をお世話していただいたローソンで二回目の朝食をとる。 |
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■第64番霊場 前神寺■
日差しは暑いが風はひんやりと心地よい。
八十八ヶ所巡りは春から夏にかけてが一番良いかもしれない。 |
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白い小さな点に見えるのは全て1円玉。
しっかりと張り付いている。
次は愛媛県最後の寺。
65番三角寺まではここから遠い。
三角寺一歩手前の川之江で早めに休んで明日に備えたい。
川之江に着いてから「華の湯」という温泉に入った。仮眠室が用意されていたので寝かせてもらいました。
就寝はジャスコ?のベンチ。
夜になっても風が強い。
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