あなたの夢はなんですか?
大浜夏樹の夢の一つ、それこそが【四国 88箇所を巡る旅】です。
ここは、大浜夏樹という一人の人間の抱く夢が叶った瞬間を記録したページです。

※こちらのページには1日目~15日目までの全記録を、時間軸に沿って載せております。
そのため、ページの内容はかなり長く、容量も大きく、見づらいかもしれません。
ただ、
四国88箇所の旅は、1番から88番に至るまで、切るに切れない旅だと感じましたので、
大きな流れとして、今、HPを見ていただいている貴方様も【15日間を一緒に旅する感覚】で、こちらのページをお楽しみいただけたらと思います。


1日目~2009.4.10
2日目~2009.4.11
3日目~2009.4.12
4日目~2009.4.13
5~8日目(現在のページ)

9日目~2009.4.18

10日目~2009.4.19

11日目~2009.4.20

12日目~2009.4.21

13日目~2009.4.22

14日目~2009.4.23

15日目~2009.4.24

・帰り道




【【5日目~2009.4.14】】

高知県奈半利(なはり)。
今日は雨。


4日目の終わりは夕方に「二十三士温泉」という温泉に入って、洗濯物もして、身も服もキレイにした。

寝床は温泉の近くに見つけた公園のベンチ。寝袋も出して休んでいると、
「すみません。」
とジャージ姿の散歩している方に声をかけられた。

「今日の夜中ごろから雨が降るからここだと濡れちゃうよ。」

明日は雨だという予報は、遍路仲間の中でもちょっとした噂になっていた。それでも、星が出ている夜なのだから朝までは大丈夫だと思っていたのだが…

「近くに東屋(屋根がある)があるから。」
親切に教えてくれた。
聞けば、いずれご自身も88箇所巡りをするのが夢だそうで、僕を見て声をかけてみたくなったのだとか。

東屋に移動して目を閉じた。

夜中の0時ごろ。
ザァーっという大雨の音で目が覚めた。
あの星空が幻だったかのように大雨が降っていた。
間一髪…。
あの時のお二人、とてもとても助かりました。
本当にありがとうございました。

雨に濡れるツツジ。
恐ろしいくらい鮮やか過ぎる。
汚れた水路に凛として咲く孤独の花。
15時ごろようやく雨が止んできたので、思い切って奈半利を出発する。

海のすぐ隣の道を走る。
振り返ると奈半利が雨に濡れている。
目を前に向けると行く先が雨に濡れている。
水平線のずーっと向こう側だけがきらきら輝いている。
いよいよ怪しい雲行きに。
第27番 神峰寺のある山を登る途中。

水も滴る…。

■第27番霊場 神峰寺■

山の上の天気は、山の下の天気とは違っている。神峰寺についた頃には霧のような細かい雨が降っていた。
滝は見るより音を聴いていたくなる。
神峰寺を下る頃から霧は本格的な雨に変わっていた。
安価なビニール合羽を着て雨の中を走る。

やがて雨の先に美しい橙の光を見た。


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【【6日目~2009.4.15】】

夜須の道の駅で一晩を明かす。
道の駅は整備されていて、トイレもあるし、キレイで寝やすいところが多い。

少し強い風の中をいく。

雨雲が押しやられていく。

6時の朝は奇跡で満ち満ちている。
■第28番霊場 大日寺■

風が吹く。

まだ6時45分なのに僕が寺に入ったのは2番乗りだった。
腰の曲がりはじめた白髪の老夫婦の方が参っているところだった。
あんな歳のとり方なら幸せだろうな、と思う。
やがて風は止む。

水面は鏡のように澄み切っている。
空に青さが戻ってきた。
向かい風の時はさんざん文句を言う。
「なんで向かい風やねん!」

ところが追い風になると
「やった!」なんて嬉しがることもなく、というか、気づいてすらいない。

勝手なものだと思う。

日々の生活でも同じことが言えるのではないか、と考えてみた。


風を感じるに、止まってみるのも悪くない。
こんなにも感動する世界なのに…。
■第29番霊場 国分寺■

道を尋ねてもいいのかな、と思わせてくれる顔がある。
私にかまうな!、というカチカチの顔がある。

僕は仕事に詰まったとき、カチカチになっていたんじゃないかって思い返してみた。
だから上手くいかないんだ、と思った。
僕の顔が歪んでたから、みんなが気を遣ってしまったんだね。
■第30番霊場 善楽寺■

筋肉の張りは心地よく、エネルギーさえあればどこにでも行けるくらいの軽さがある。

12番の焼山寺の苦し過ぎる苦しさを乗り越えてきたからだ、というのはスポーツの考え方に通じている。

そう言い聞かせて走ってきた。

そして、それは必ず結果に繋がってきた。
亀の甲羅干し。
■第31番霊場 竹林寺■

竹林寺なのに楓が多い。

雨の後のサァっと冷たい穏やかな風。
濃い黄緑に変わりはじめた若葉が眩しい。

ああ、僕はこの感じがたまらなく好きなんだ。
竹林寺の五重塔。

この写真のアングルはよくあるパターン。
このパターンは普遍的な黄金比に当てはまっているような気がする。
この景色を美しいと感じるのは、僕が日本人として生きている証明のようにも感じる。

外国の方が見てもこれは美しいと思えるのか気になる。
■第32番霊場 禅師峰寺■

太平洋をのぞむ小高い丘にある禅師峰寺。
桂浜が近い。
ちょっと寄り道。
アーチを越えると桂浜。

そういや大学時代の高知合宿でこの橋を反対側から渡ったなぁ。しっかり覚えているもだ。

この近くで食べた鰹のタタキ丼は身がたっぷりのった豪快なやつで旨かったなぁ。
土佐犬を生で見る。

土佐犬の後ろに少しだけ写っている車輪は車椅子の車輪。
その車椅子のおじいちゃんは60年ぶりに土佐犬に出会えたそうで、涙を流しそうになりながら喜んでいた。
体を悪くしているそうで、あまり言葉もしゃべれない。死ぬ前にもう一度、というその思いでやってきたのだという。
それに見合う実に立派な、大きな土佐犬だった。
有名過ぎる、さかもっさん。
桂浜。

美しいのは観光名所として人の手がはいっているから。
でも、汚れるのは人が入るから。

人って何よ?

俗な海水浴場のようにPOPな音楽が砂浜に流れるのはいただけない。
ある観光客の方が、カメラを持ってうろうろしていた僕を見つけて、「撮ってあげるよ。」と撮ってくれた一枚。

一人旅な分、自分の顔が写っている写真が少ない。
桂浜の高台から見た太平洋。

小学生の時に家族で来たときもここから太平洋を見た。
「水平線が丸く見えるやろ。」と父親が教えてくれて、本当に少し丸く見えて、興奮したことを思い出した。
■第33番霊場 雪蹊寺■

南国高知に似合わない「雪」のつくお寺。
日差しがじりじりと肌を焼く。
■第34番霊場 種間寺■

夜に陸上の先輩と会う約束をしているので、ここから高知市内まで戻ることに。
約束の時間まで時間があったので、高知市内でお風呂をいただきました。
「城西館」というホテルでお風呂だけ入らせてもらうことに。料金は1000円。

8階の大浴場には露天風呂もついていた。
まだ15時という早い時間帯ということもあり、宿泊客はおらず貸切で入れた。

「これって…イチバン風呂??」

宿泊客よりも、ふらふら~っとやってきたお遍路の僕がイチバン風呂なのはなんだか悪い気がしたが、1000円払っているし、露天風呂も含めてゆっくりさせていただきました。

たまには贅沢もしないとね。



そして、この後は、陸上の先輩と飲みにいって、高知のおいしいものを存分にご馳走になったのでした。
風呂に、食事に、そして、何より高校卒業して以来にまた会うことができた先輩との時間に…贅沢極まりない一日となりました。


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【【7日目~2009.4.16】】

お酒も入っていい気分で見つけた道端の寝床(ベンチ)。
朝起きてみるとびっくり!
坂本竜馬の写真が!
どうやら坂本竜馬の生家跡に備え付けられていたベンチで眠っていたみたいで…。
知らずとはいえ、あの坂本竜馬の前でずうずうしくも眠ってしまったことに驚き、朝の5時過ぎからテンションが上がってしまった。
■第35番霊場 清滝寺■

今日は高知市から中村市までの移動がほとんど。
高知は寺と寺の間隔が広い。
37番から38番までは約100kmの道のり。
■第36番霊場 青龍寺■

後姿のお遍路さんは、亡くなった奥さんの供養の為に四国を回っていた。
奥さんがお元気だった頃にも二人で四国をまわり、そのとき、奥さんが自分を撮ってくれた写真とまったく同じアングルで写真を撮って回っているのだとか…。

お遍路さんの数だけ理由がある。
■第37番霊場 岩本寺■

七子峠という峠を越えた山の中にあるのが37番。
この七子峠というのが曲者で、峠といっても数時間かけて山を越えていかなければならない難所だった。
パンクを修理してくれた自転車やさんが「七子峠はちょっと大変よ。」と言っていた意味が分かった。
四国は本当に山が多い。
山の中のアヤメ?の花。
夕陽を浴びてオレンジに染まっている。
風が花を揺らすのか
僕が風で揺れるのか。


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【【8日目~2009.4.17】】

昨夜は中村市の中村駅近くの大きなマルナカのベンチで野宿。

ここ中村市は、実はとても思い入れのある町である。


大学2年生のゴールデンウィーク、大学生の時間を使ってどうしてもしたかった一人旅。
その初めての地がここ中村市なのだ。
そして、人生で初めて野宿したのもここ。

このときは思いつきの旅立ったので寝袋なんかは用意せず、ただ、この身一つで高知入り。

はじめは中村駅前のバス停、次ぎは公民館の植え木の陰、次ぎはお店の駐車場…と寝場所を探して歩きまわって、結局ほとんど眠れないまま夜を明かしてしまった思い出がある。

「野宿って言ったってただ外で寝るだけでしょ?」
という安易な考えと想像。

いざ目をつむると人の足音やら声、ガサっという物音が気になって気になって仕方がない。

蚤の心臓とはこのことかと恥ずかしかった。

初めての旅では、想像と現実とはこれほどまで違うものか、と体感したのだった。

野宿の一人旅は、苦労もあるけど、その苦労すら楽しみに感じられるような発見と学びが面白い。つまり、「経験」とは何事にも変えがたい財産だと気づくような経験。


やがて一人旅に魅了された僕は、北海道の摩周湖や東京・和歌山間のママチャリの旅を決意していくのだった…。
海から昇りはじめた太陽。
足摺岬。

室戸岬より荒々しく感じる。
↑の写真の白灯台から見た海。
■第38番霊場 金剛副寺■

足摺岬にあるのがこの金剛副寺。
あ、おっぱい岩。
蝶は花にとまっていて欲しい。

この後、大きな車の通り過ぎる風で飛ばされてしまった。
高知の山奥の暗いトンネルで5cmくらいの石を踏んだらパンクしてしまった。
山の奥なので町がない。
やっと家があるところに出たと思ったら自転車屋がない。
非常に困った。パンクを治せない。

自転車を押して歩いたり、パンクしたまま無理にこいだり…やっぱりだめだ。

と、自動車の修理工場を見つけ、ダメもとで聞いてみた。
「こんなの見たことない。」
そう言われたのはタイヤの空気を入れるバルブ部分。僕の自転車はフランス式のバルブ部なために、ママチャリに使える一般的な空気入れでは空気を入れることができない。

パンクを直しても空気を入れられない。
困った…。
店主さんも「困ったなぁ」と頭をかかえる。
知り合いのところだったら直せるかも、と、軽トラックに僕の自転車を乗せて運んでくれることに。

運んでもらった先に期待したが、やはりそこでも修理はできないとのこと。

そしたら今度はこちらの店主さんが最寄(といっても5km以上離れている。)の自転車屋さんまで送ってくれることに。

そしてようやく辿りついた自転車の店主さんが←の写真の方です。

この旅は一人旅だけど、こうしてたくさんの人に支えられてる旅なんだ。
みなさん、自転車リレーしていただいて本当に本当に助かりました。
ありがとうございました。
■第39番霊場 延光寺■

お昼に入った喫茶店で、ご飯の大盛り代+コーヒー+飴を接待していただいた。

接待していただけることは嬉しいが、何よりは、その方たちがとても素敵に笑って話かけてくれることが一番嬉しいのだ。
■第40番霊場 観自在寺■

ここから愛媛県。

観自在寺の仁王門前の階段(写真の階段)に座って日記を書いていると、「泊まるとこ決めました?」と凛々しい青年に尋ねられる。
聞くとこの観自在寺は通夜堂があって、無料で泊めていただけるとのこと。
このとき声をかけてくれたおかげでぐっすり眠れた。ありがとう!
鎮座。
通夜堂仲間。

三人とも自転車お遍路。

凛々しい青年は四国の後に全国を巡るとのこと。
このHPを更新している今は沖縄を回り、九州を北上しているころだ。


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5日目~8日目(現在のページ)






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