あなたの夢はなんですか?
大浜夏樹の夢の一つ、それこそが【四国 88箇所を巡る旅】です。
ここは、大浜夏樹という一人の人間の抱く夢が叶った瞬間を記録したページです。

※こちらのページには1日目~15日目までの全記録を、時間軸に沿って載せております。
そのため、ページの内容はかなり長く、容量も大きく、見づらいかもしれません。
ただ、
四国88箇所の旅は、1番から88番に至るまで、切るに切れない旅だと感じましたので、
大きな流れとして、今、HPを見ていただいている貴方様も【15日間を一緒に旅する感覚】で、こちらのページをお楽しみいただけたらと思います。


1日目~2009.4.10
2日目~2009.4.11
3日目~2009.4.12
4日目~2009.4.13
5日目~2009.4.14
6日目~2009.4.15
7日目~2009.4.16
8日目~2009.4.17

9日目~2009.4.18

10日目~2009.4.19

11日目~2009.4.20

12日目~2009.4.21
13~15日目(現在のページ)


【【13日目~2009.4.22】】

■第65番霊場 三角寺■

昨夜に眠った川之江から山に入り4km、40分の道のり。
予想よりも早く着いた。

次の66番からはいよいよ僕の生まれ育った香川県。心が強く優しくなっていくのを感じる。
これは安心感というやつだ。
■第66番霊場 雲辺寺■

雲辺寺は八十八ヶ所の中でもっとも高地にあるお寺。標高920mに位置する。
この雲辺寺までは山道を歩いていかずロープウェイで登る。

なぜ歩かない??

それは…僕は高いところがめちゃくちゃ苦手だから、敢えて苦手なロープウェイを選んだのです。

ほんまにむちゃくちゃ怖くて手のひらは汗びっしょりでした…
帰りのロープウェイが億劫で仕方なかった…


山頂は下とは別世界でむちゃくちゃ寒い。気温はわずか8℃。
下とは10℃近い差がある。
■第67番霊場 大興寺■

風が流れている。
大興寺の大きなクスノキが揺れる。

蜂の飛ぶ音は
お遍路さんの読経の声に似ている。
■第68番霊場 神恵院■

寺に着くとほっとするのはナゼだろう。
風が心地よく感じるのはナゼだろう。


■第69番霊場 観音寺■

68番69番は隣接している。
なので仁王門は1つだけ。
ここで香川に入って初めての讃岐うどんをいただく。
お店の人が「何もないから」と、おにぎりをにぎって付けてくれました。
そのおにぎりがめちゃくちゃうまかったっす。
ありがとうございました。


余談だが、香川でも西讃にはなかなか来る機会がなかったんだなぁと思う。
日本一小さな県とは言ってもいったことない場所もたくさんあるもんだ。
■第70番霊場 本山寺■

道に迷う。
近道しようと欲を出すとこれだ。
気をつけよう。
■第71番霊場 弥谷寺■

香川の寺を甘く見ていた。
1000段近い階段を上ってやっと着くのがここ弥谷寺。
急く気持ちとおは裏腹に72番は遠い。
■第72番霊場 曼荼羅寺■

追い風に後押しされながら一寺一寺巡る。
本当に風が強い。
■第73番霊場 出釈迦寺■

72番から近い。
仁王門など新しい。


香川に入ってから機械的にお寺を巡る。写真も仁王門しか撮らずにいる。よく知る土地だから(本当は来たこともない寺ばかりだが)安心しているのか。だから感動が薄いのか。
そもそも感動にレベルがあること自体おかしな話だ。
■第74番霊場 甲山寺■

ここも門が新しい。
門は作り直すものなのか?
改修ではないのか?

とりあえずどんどん進む。
■第75番霊場 善通寺■

総本山。

美しく整備され、本堂前も広々として気持ちが良い。
そして何より八十八ヶ所の中でも最大級に広さを感じる。
75番は映画「サマータイムマシンブルース」のロケ地でもある。
寺の敷地内を歩いていると映画で見た風景が蘇ってくる。
「サマータイムマシンブルース」の監督・本広克行は香川県出身の監督さんだ。
故に香川の地で映画を撮影したのだ。
なんかそれって地元の人間からするととっても嬉しい。
僕も生まれた土地に恩返ししていきたい、と改めて思った。

ちなみにこの映画は香川で撮影されいるにもかかわらず(?)瑛太、上野樹里が主演を務め、佐々木蔵之介、真木よう子なども出演してるなかなかビッグな映画なのだ。
ぜひこの映画を見ていただきたい!
■第76番霊場 金倉寺■

香川のお寺さんは美しい。
公園のようだ。
それは
返せば
風情がない。
■第77番霊場 道隆寺■

ここも美しい。
花の香りがする。

16時をまわる。
いけるか、下笠居(実家)。
■第78番霊場 郷照寺■

ここも整備されている。
本堂の賽銭入れの上、天井が美しい。
■第79番霊場 天皇寺高照寺■

風が強い。
この風のおかげでここまで進めた。

坂出市を出ていよいよ高松市へ。
実家が近い。
■第80番霊場 国分寺■

ここは鬼無になるのか?

寺によって気の配りかたは様々。
80番は水洗場のひしゃくが種類ごとに分けて並べられ、タオルも綺麗にのばして吊ってある。
こういう場所は寺のもつ気が高く感じる。

西に傾いた太陽の薄い橙色の光の中で小学生の子供たちが鬼ごっこをしている。
お寺さんの木の後ろや石塀の後ろに一生懸命になって隠れている。
顔には自然と笑顔がこぼれ、いかにオニ役の子を欺いてやろうかと考えているに違いない。

鬼ごっこをしていると、鬼に見つかるドキドキ感より、オニを騙しきったときの爽快感がたまらなく好きだった。
隠れている自分は自信いっぱいで、もし見つかったとしても学年で1番の脚があればまず捕まらないだろうとも思っていたなぁ。
仲の良い友達と一緒に隠れたら前と後ろとを分担して見張ってたっけ。
そんときって、なんか凄く友達との距離が近づいたみたいで無性に嬉しかったなぁ。
隠れる場所は無限にあった。
木の上、軒下、水路の中、ビニールハウスの上…服が汚れるとか、危ないとかなんとも思っちゃいなかった。
むしろ、危ないからこそ、そこを隠れ場所に選んだなぁ。
だって危ない場所だとオニが来れないからね。


ねぇ、
小さく固まってるどうするんだよ。





実家に帰る途中にいとこの兄ちゃんが経営するタイヤ屋さんに顔をだす。
兄ちゃんとおばさんに会ったのは、ばあちゃんの葬式以来だなぁ。
兄ちゃんもおばさんも元気で安心した。
元気な顔を見れて心の底から嬉しかった。
そう、
血が繋がっているんだ。

帰りがけにおばちゃんから接待で1万円をいただいてしまった…。そんなつもりで寄ったのではないし、そんな大金もらうわけにもいかないので断ったのだが、「おいしいもんでも食べたらええんよ。」と受け取ってもらえない。
ありがたく気持ちを頂戴しました。





時に…
僕は自分の家族が好きだ。
家族だけじゃない。
いとこや親戚も大好きだ。
そりゃ反抗した時期だってあったし、うるさくて邪魔くさくて仕方ないこともあった。
けれども、
変わってきたなー。
どこからだろうかな。
んー
そうだなぁ、たぶんソレは、伯父さんが死んで生まれて初めての葬式に出たときかな。
僕は高校生だった。

葬式で生前の伯父さんの話を聞いた。
伯父さんは気遣いの人で、頼まれたらイヤと言えない頼られる人だった。
例えば、
タイヤ屋のお客さんから夜中に電話があって「タイヤがパンクしてどうにかして欲しい」と言われれば、タイヤ一つトラックに積み込んで愛媛県まで車をとばすような人なのだ。
…考えられない。
儲けなんてあるはずない。
でも、儲けじゃないんだね。
困ってる人が居るから助ける。
それだけ。
実にシンプル。
そうなんだ。
頭を使うんじゃない。
反射的に気持ちで動くんだ。

野菜を残したら「男が好き嫌いしてどうする!」とか、泣いてると「男が簡単に泣くな!」とがみがみ言う伯父さんは苦手だったけど、僕たち兄弟のことをいろいろ気にかけてくれていたらしい。

苦手だったけど、
嫌いじゃなかったんだよ、伯父さん。
だって
分かってたもん。
間違ってるのは僕だってコト。
言い返せなくてヘソ曲げてただけなんだ。
伯父さん、
一緒にお酒飲んで色んな話聞きたかったよ。


葬式が終わってみんなでご飯を食べるんだけど、親戚の大人たちは伯父さんの前で酒を飲んで顔を赤らめ笑っていた。
なんだかそれが不謹慎な不潔な気持ちがして僕は腹が立った。
うちの両親も笑っていた。
ますます腹が立つ。
伯父さんの死とはなんだ?
これが花向けか?
激怒に近い感情。
だから僕は気分が悪いといって一人先に帰った。

葬式で笑うってどうよ?

そう、
実はみんな
笑って見送ってあげてたんだ。
故人を偲び見送ってあげてたんだ。
みんな泣いてちゃ
気遣いする伯父さんのことだから、いつまでたってもこっちの世界を離れられないじゃないか。
伯父さんが安心して逝けるように、今度は、残されたみんながおじさんに気を遣ってあげてたんだよね。

年を重ねて
少しずつ分かってきたかもしれない。

僕も伯父さんのような気遣いの人になりたい。
親戚のように哀しくても笑ってあげられる優しい人になりたい。


今僕は実家を離れて和歌山で生活をしているが、実家に戻ったときには必ず伯父さんのお墓参りにいく。
今はじいちゃんもばあちゃんも一緒にいるから寂しくないかもしれないね。

また、会いに帰ります。


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【【14日目~2009.4.23】】

■第81番霊場 白峰寺■

実家に泊まる。

昨日は65番~80番と実に16箇所を回る。
なんとしても実家で寝たかった思いを助けてくれるように追い風に吹かれ進んできた。

実家はやっぱり良い。
ホッとする。


ここ白峰寺は実家に近いが来たことがなかった。次は八十八ヶ所中、もっとも親しみ深い根来寺だ。

■第82番霊場 根来寺■

根来寺の近くに居る友達に会いお寺へ。

8年ぶりに会えて嬉しかった。
男前な顔になっていた。
僕はどうだろうか、変わったのだろうか。
これが私の育った町、下笠居。

見上げれば五色台の山々。
見下ろせば瀬戸内海の穏やかな海。

自然は無限の遊び場だった。

下笠居で育った僕はなんとラッキーな人間だろうか!!
■第83番霊場 一宮寺■

田村神社のすぐ隣。
境内に座って読経するおばあちゃんは神がかりな力を感じた。
■第84番霊場 屋島寺■

・ケーブルカー運休
・ドライブウエイ自転車通行不可

で、なんとなく上がり出した遍路道は、俗にいう遍路転がしという奴で、そり立つ壁を登る羽目となる。
しんどいのは一向にかまわないが、スズメバチだけは気をつけないといけない。
こんな山中で刺されたら洒落にならない。

意味もなく野犬に追いかけまわされる。
■第85番霊場 八栗寺■

うどんの山田屋から更に山を上がっていくと寺への上り口があって、ケーブル横をずーっと上っていく。
斜度がかなりきつい坂だ。


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【【15日目~2009.4.24】】

実家前にて。

二泊目、旅立ちの朝。


■第86番霊場 志度寺■

寒さを感じる朝。

これが結願の朝。

あと二つ。
■第87番霊場 長尾寺■

冷たい空気が身を引き締める。

あと一つ。
■第88番霊場 大窪寺■

最後の山を登りきり、とうとう88番に着く。
この旅でずいぶん日焼けした。
旅の終わりの日には
桜の季節は終わって
エネルギーに溢れる新緑の季節になっていた。
八十八ヶ所。

約1400キロの旅。



頂いたお接待

・現金500円
・現金1000円
・現金10000円
・飴
・大盛り料金(喫茶店)
・コーヒー(喫茶店)
・缶コーヒー
・宿泊費(うちこ)
・洗濯機代
・乾燥機代
・500mlお茶
・200mlお茶
・温かい気持ちたくさん

・HP掲載写真200枚
八十八ヶ所終わる。

思うことは
胸のうちに。

と、いうのもいいと思う。

今日のこの日をの感覚を
忘れないように。







以上、
八十八ヶ所巡りながらつけた日記より。





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*******************■帰り道■*******************
緑の土手で蝶が舞う。
力の限り。
寄り添って。
飛ぶ理由がいちいち必要かい?
いつか傷ついた蝶が、あなたの足元にその影を落とすだろう。
その時、
あなたは美しいと思うか、それとも醜いと思うか。








ぼくは、あきらめない。







13日目~15日目(現在のページ)



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